CD、最新エンタメ業界にひとこと物申す

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「高学歴者の仕事が低レベルな理由とオーバークオリフィケーションの実態」

高学歴なのに、任される仕事のレベルが低い…日本でオーバークオリフィケーションが起こる理由

オーバークオリフィケーションとは?

「オーバー・クオリフィケーション」とは、簡単に言うと、職務に求められる学歴よりも高い学歴を持っている状態のことを指します。
驚くことに、経済協力開発機構OECD)の調査によると、日本のオーバークオリフィケーションの率は31%と、世界で最も高い水準に達しています。
このような状況が生まれる理由や影響を探ってみましょう。

高い学歴と低い仕事のミスマッチ

読解力や数的思考力において、日本が世界一の数値を持つ一方で、オーバー・クオリフィケーションの割合も同様に1位というのは、非常に皮肉な現実です。
なぜなら、高い能力を持ちながらも、自分のスキルを活かせない仕事に就いている人が多いということを意味します。
このミスマッチは、仕事に対するモチベーションの低下や早期の離職といった、深刻な問題を引き起こす可能性があるのです。

根深い新卒採用文化

このオーバー・クオリフィケーションの背景には、日本特有の新卒採用文化とメンバーシップ型雇用慣行が大きく関わっています。
新卒採用では、企業が若手社員をじっくりと育てること前提としており、そのための指標として「学歴」が重視されがちです。
このような文化の中で、企業はポテンシャルを期待して新卒社員を採用するため、学歴がスキルの指標となってしまった結果、スキルとのミスマッチが常態化しているのです。

モチベーション低下と賃金の問題

オーバー・クオリフィケーションに陥っている人々は、仕事の内容が自分の能力と合っていないため、次第にモチベーションが低下し、早期離職のリスクが増大します。
また、こうした人たちは、仕事が自分の学歴に見合わない場合、平均よりも15%も低い賃金で働くことになるというデータもあるため、経済的な面でも大きな打撃を受けます。
これは非常に深刻な問題です。

なぜなら、心理的なストレスだけでなく、生活にも影響を及ぼすからです。

今後の方向性と求められる変化

近年、日本の企業でもジョブ型採用の意識が徐々に高まっていますが、単一のキャリアパスにとらわれることなく、個人の能力を最大限に活かせる柔軟な人事配置が求められるのです。
この変革によって、オーバー・クオリフィケーションの問題が軽減されれば、職場環境も活性化し、より多くの人々が自分の能力を存分に発揮できるようになるでしょう。

今後の日本の労働市場において、このテーマはますます重要になってくると言えそうです。